I'm sick,because love you.

てきとうに

深刻ぶった男はきれいじゃないから

愛想もクソもない男の子がいるな、と思っていたんだ。

 

 

時は2012年、土曜19時の花形枠。シルシルミシルだのなんだの工場見学、◯◯の裏側公開!系番組が流行っていた(と思う)あの頃。その枠で放送していたのが、かのリアルスコープZ。深夜時代から見ていたので、ゴールデン移動後もなんとなく見ていたあの番組がリニューアル後、座り位置は後ろ側の端っこ。

「あーはいはい、そういう枠の子たちね」

お飾りのようにちょこんと3人ないし5人の男の子が特に何をするわけでもなく座らされていた。座っていたというか、座らされているように見えた。そりゃそうだろう、彼らはデビューしたての10代で興味があるんだかないんだかな工場の裏側見てるだけだし、今の彼らのようにワイプでも声が大きかったり話をふられたらうまいこと返したりできるわけでもない、まだお飾りで十分。

でもいち視聴者はそんなこと知ったこっちゃない、出てる以上何かすればいいのに、ジャニーズ枠って気楽なもんだな〜みたいな目で見ちゃいますよね!そりゃあね!外野って何でもかんでも言うよな!そういうところよくないぞ。

もしかしたら頑張ってたのかもしれないけど、お飾りオブお飾りの中、その中でも1人それはそれは

お前やる気ないだろ……?

としか思えない、ムスっとしていて目に輝きがない、その目には長めの前髪がかかってて鬱陶しい、なんなら後ろ髪もズルズルと伸ばして鬱陶しい、もうこいつどうなの!?座り位置が隅っこってのもあってなんとなく薄暗かったような気がするし(たぶんそんなことはなかったんだろうけど)、負のオーラが出ていたというか、とにかく私この子ダメだ!っていう印象はできあがった。印象が悪すぎて、彼の名前はセンターの変わった名前のあの子の次に覚えた。そのぐらい見るたびにンッ!って子だった。態度は悪いし、髪の毛は鬱陶しいし。

 

(彼に対していちばんダメな第一印象であることも知らずに……。)

 

この子嫌いだわ〜髪の毛切ってほしいわ〜と思いつつ番組を見続け、番組がマンネリ化し、なんとなく見なくなり、それと同時期にワイドショーでメンバーを分割するという話題を見聞きし、かわいそうにねあの子たち自然消滅しちゃうんだろうね、と自分勝手な感想を持ち、日本のメインカルチャーであるジャニーズアイドルが主戦場とするドラマや音楽番組に縁が遠いヴィジュアル系バンドを追い回すバンギャルだったため、あのときの彼らが何をしているか分からないまま数年が経ち、大きくなった彼らと再会したのはいったいいつの何だっただろうか?せいぜい姿を見ていたのは毎年見ていたカウコン中継だろうか?とにかく気がついたときには24時間テレビのパーソナリティーに就任し、3:2の2だった1人が休養に入り、4人体制で活動していた。

その次にきちんと彼らに対峙したのは、たまたま聞いた某ラジオ番組。なお、らじらーではない。そこで紹介された名脇役。そこで何を感じたのか自分でもさっぱり分からないけど、

私現役オタクだったら菊池担になるな

とツイートしたのが運の尽き、終わりの始まり、セクシー元年の幕開けだ!時すでにセクシー。

 

終わりが始まったと同時に気が付いたことがあって、愛想もクソもない、隅っこでムスっとしていたあの子は私が彼をちゃんと見るようになったその年、テレビの中ではいつもニコニコと楽しそうに笑ってて、タレ目が消えて、手叩いて、大きな口でアハアハ笑って、どこで見たって楽しそうに笑ってることが多かった。きれいな女優さん見てはいいっすねえってニヤついて、ドッキリかけられてる人にニイって笑って、おいしいもの食べてはうれしそうな顔して、メンバーと一緒にいるときは誰かの行動に微笑んで、おかしな発言に大笑いして。若き日の彼が、笑ってって言われても面白くもないのに笑えないと思ってたと聞いて、じゃあ今は本当に楽しくやってるんだなと。好きになるのがあまりにも遅すぎたけど、楽しい!おもしろい!と感じる瞬間に立ち会っているのであればそれはそれでいいのかな、なんて思うわけです。

 

突っ込んだインタビューとかだと自分自身をネガティブな性格と称するように、どんどん内にいくというか、自分はそんなにいいもんじゃないです、嫌われてもいいですというふうに自分を表すことが多くて、そこが私は本当に心配で不安で仕方がなくて、メンバーを思うが故ってことは痛いぐらいに分かるけどそんなこと言ってほしくないし、ド新規はド新規なりにシュン……としてしまうことがあるので、できるだけできるだけ彼には笑っててほしいなと思います。

ケンティーのケンティーっぷりに微笑んで、勝利くんを愛おしそうに笑って、聡ちゃんのすっとぼけに爆笑して、マリちゃんいじってアハアハ声あげて、26歳の彼もたくさん笑っていられるように。

 

 

幸せな1年を。